わたしの台所には、祖母の知恵が生きている

味噌汁のだしをとるとき、
ごはんを炊くとき、
お漬物をつけるとき。

ふと、祖母の仕草がよみがえることがあります。

何も教科書を見たわけじゃない。
でも、身体に染み込んでいる。
あの人がしていた「台所しごと」が、
ちゃんと今の私の中にも生きているのです。

“教えられた”というより、“感じ取った”こと

祖母の動きは、無駄がなくて、やさしくて。
昆布を水につけるタイミングや、煮ものの火加減。
手のひらでごはんの温度を確かめる姿。

それは「こうしなさい」と言葉で教えられたものではなく、
**一緒に過ごすなかで自然と感じ取った“暮らしの知恵”**でした。

梅干しの酸っぱさ、
煮物の甘辛い香り、
干し椎茸のもどし汁。

そんな匂いを感じると、
祖母の台所の風景が目の前にひろがります。

スピリチュアルに言えば、
食の記憶は“魂の中の宝物”として深く刻まれているのかもしれません。

私はいつの間にか、
祖母がしていたように、大根の皮をきんぴらにしたり、
漬けものの重石代わりに味噌の瓶をのせたりしています。

それはレシピではなく、“祈りのような手しごと”。
小さな動作のひとつひとつに、
自然への敬意と、家族への想いが込められている気がするのです。

昔は「面倒くさいな」と思っていたようなことも、
今はなぜか心が落ち着く作業になりました。

人から人へ、手から手へ、
レシピ以上に大切なものが、ちゃんと受け継がれている。

それに気づいたとき、
**「わたしの中にも、祖母がいる」**という感覚が、
静かに心を満たしてくれました。

今日、何気なくつくったその一品にも、
きっと誰かから受け継いだ知恵や愛がこもっています。

あなたの台所に息づいているやさしさは、
過去から今、そして未来へと静かにつながっていくもの。

🍀祖母の知恵は、今の私の“心の調味料”です。
今日も、手の中にあるそのあたたかさを信じて。