冷たい風が吹き始めると、
自然と人も静かになり、
「内側に戻る」時間がはじまります。
外に向かっていたエネルギーを、自分の中に引き戻して、
**「温める」「蓄える」「休む」**ことが必要になるのが、冬。
それは、季節が教えてくれる
**“自分を整える養生の知恵”**なのです。
◆ 動かないことは、悪いことじゃない
冬になると、動きが鈍くなったように感じて、
つい「怠けているのかな」と不安になることも。
でも本当は、冬は「動かない」ことが自然。
木々も土も、動物たちも、
この時期は静かに内側でエネルギーを温めている。
私たち人間も、同じように――
あえて“止まる”“こもる”という時間を持つことで、
春への力を蓄えているのです。
◆ 温めることは、命を守ること
冬のごはんは、とにかく**“あたためる”こと**が主役。
たとえば――
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根菜たっぷりの味噌汁
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餅入りの小豆がゆ
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生姜やネギを効かせた雑炊
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昆布だしに包まれた湯豆腐
どれも、身体の深いところに届いていくような、
静かでやさしい温もり。
あたたかさは、心までもほぐしてくれて、
安心して自分の内側へと戻ることを、許してくれます。
◆ 「こもる」ことは、未来のための準備
こもること=閉じこもること、ではありません。
「いまはまだ見えない芽を育てている」
それが冬の静かな力。
だからこそ、
湯気が立つ台所で、コトコトと煮物を作る時間。
あたたかいお茶をすすりながら、ただぼんやりする時間。
そんな何でもない“内に向かうひととき”が、
春に向かうあなたを、静かに支えてくれるのです。
◆ 最後に
冬は、休むこと、あたためること、こもること――
どれもが「整える」という大切な養生の時間。
どうか焦らず、
静かに、やさしく、自分のペースで過ごしてください。
今日も台所の湯気が、
あなたの内側を、ふわっと包んでくれますように。
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