ある日、なんとなく気分が晴れない朝。
ふと冷蔵庫の奥から取り出した塩麹の瓶を見つめた瞬間、
そのまろやかな存在に、ふわっと心がゆるむのを感じました。
塩麹には、からだだけでなく心を整えるやさしい力があるのかもしれません。
塩麹って、ただの調味料じゃない
塩麹は、麹・塩・水を合わせて発酵させた、日本の伝統的な発酵調味料。
うま味を引き出し、お肉やお魚をやわらかくしてくれるだけでなく、腸にやさしく、体の内側から整えてくれるような力があります。
昔から「発酵は神さまの仕事」と言われてきたように、
見えない菌たちが、じっくりと素材を熟成させていく様子には、
目に見えない大きな流れ――自然や命の営み――への畏敬の念を感じずにはいられません。
塩麹は、ただ味をつけるだけでなく、
日々の料理に小さな神聖さを添えてくれる、静かな祈りのような存在なのです。
「発酵」と「心のゆるみ」は似ている
塩麹のような発酵食品は、急がず、焦らず、ただ静かに変化していきます。
温度や湿度にゆだねながら、何日もかけて、少しずつまろやかに整っていく。
そのおだやかな変化の様子に、私はふと、心の整え方と重ねてしまいます。
無理に元気にならなくてもいい。
焦って前に進まなくても大丈夫。
今の自分を受けとめて、そっと育てるように過ごしていけば――
心もちゃんとやわらかく変わっていく。
塩麹をかき混ぜながら、私は今日も、そんなことを思い出しています。
塩麹の使い方:私の“心ほぐしレシピ”
私がよく作るシンプルな塩麹レシピを3品、順番にご紹介しますね!
塩麹のやわらか鶏むね肉ソテー
塩麹の効果でパサつきがちな鶏むね肉もしっとりやわらかく、冷めてもおいしい一品です。
☆材料(2人分)
- 鶏むね肉:1枚(約250g)
- 塩麹:大さじ1〜1.5
- 酒:大さじ1
- こしょう:少々
- オリーブオイル(またはごま油):少々
☆作り方
- 鶏むね肉はそぎ切りにし、塩麹と酒をもみこんで30分以上おく(冷蔵庫で一晩でもOK)。
- フライパンに油を熱し、中火で鶏肉を両面焼く。
- 表面がこんがり焼けたら完成。仕上げにこしょうをふる。
塩麹の野菜スープ
塩麹のやさしい甘みとコクで、心まであたたまるスープです。
☆材料(2~3人分)
- 玉ねぎ:1/2個
- にんじん:1/2本
- キャベツや白菜:ひとつかみ
- だしまたは水:400ml
- 塩麹:大さじ1〜1.5
- お好みで黒こしょう、しょうが少々
☆作り方
- 野菜を食べやすく切る。
- 鍋に水と野菜を入れ、やわらかくなるまで煮る。
- 火を止めてから塩麹を加え、味をととのえる(加熱しすぎると風味が飛びやすいため注意)。
きゅうりの塩麹漬け
超カンタン!食欲のない日や、軽く食べたいときにぴったり。お茶漬けにもおすすめの一品。
☆材料(作りやすい分量)
- きゅうり:1〜2本
- 塩麹:大さじ1
☆作り方
- きゅうりは食べやすい大きさに切る(輪切り、斜め切りなど)。
- ポリ袋や保存容器に入れ、塩麹を加えてよくもみ込む。
- 冷蔵庫で30分〜一晩おいて味をなじませる。
自分を大切にする「小さな時間」
塩麹を混ぜる、漬ける、そっと待つ――
そんな何気ない時間が、私にとっては心を整える静かなひとときです。
無心で手を動かすうちに、気持ちがやわらぎ、
からだの奥からスーッと余計な力が抜けていくのを感じます。
スピリチュアルな視点でいえば、こうした時間は“波動をととのえる”こと。
波動が整うと、心が穏やかになり、呼吸が深くなり、体の巡りもよくなると言われています。
料理は、日常の中で自分と向き合えるやさしいマインドフルネス。
ほんの少しの“手間”が、今日のわたしをやさしく包んでくれるのです。
塩麹は、心の発酵調味料
なんとなく気持ちが沈んでいる日。
理由はないけれど、心がちょっと疲れていると感じたら――
そっと塩麹の瓶を手に取ってみてください。
塩麹は、素材をやさしく整える発酵調味料。
でもそれだけでなく、
混ぜる・待つ・味わうという一連の行為のなかに、
心をゆるめるための静かなリズムが流れています。
ほんの少しだけ自分に手をかけること。
それが、内側から整っていく小さなスイッチになるかもしれません。
塩麹は、あなたの台所にある、
“心の発酵調味料”です。
🍀今日もあなたのキッチンに、小さな癒しが訪れますように。
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